私は、「最も後悔しない生き方」とは、世間の風潮やメディアの論調に流されず、自分のしたい生き方をすることだと思います。つまり、他人に迎合しないということです。過去を振り返ってみると、世間の風潮やメディアの論調といったものは、あっという間に変わっています。そして、その時それらが言っていた「正しい生き方」に合わせて生きてきた人たちが、今全員幸せを感じているかというと、そうではないのです。
「自分以外の何か」に自分の人生を委ねることは、とても楽なことのように思えます。また、それで得られる現実的なメリットも、確かにあるかもしれません。しかし、自分の心の声を聴かず、ただ「誰かの言う通りに生きた方が楽だから」という理由で他人に迎合していたり、自分の本心では望んでいないにも拘わらず、他人が「こう生きるのが正しい」と言う生き方に合わせていたりすれば、肝心の「心」が苦しくなってしまうと思います。そして、自分の本当の望みと同じような生き方をして幸せそうにしている人を見ると、「あの人はずるい」といった、僻みや妬み、嫉みの感情を抱くようになるでしょう。また、人生の終わりに自分の今までを振り返った時、心からの満足感、納得感が得られるかといったら、そうではないはずです。そして、その時後悔しても、世間やメディアといった他人は、あなたの人生に一切責任を取ってくれません。つまり、「自分以外の何か」に自分の人生を委ねることは、決して楽な道ではないということです。むしろ、本心と現実との乖離によって心が苦しくなることがなく、他人の生き方を「ずるい」と非難する気持ちも湧かないという意味で、自分のしたい生き方をする方が楽なのです。
「自分のしたい生き方をする」とは、自分勝手に生きるということではなく、「自分も他人も尊重する生き方をする」ということです。他人も尊重しつつ、自分の本音を大切にするのです。なぜかと言うと、周りの人の事は全く考えず、自分の都合だけを考えて行動していたら、皆離れていくからです。それは、自分の本心が望んでいる状態、自分が本当にしたい生き方ではないはずです。
「①宿命」、「⑦今思い通りにいかなくても、最後は必ず目的地にたどり着ける」という記事に書いたように、本心が望んでいる生き方をしていれば、生まれ持った人生の設計図に沿って生きることになり、自分が納得できる場所(生まれ持った人生の目標)に到達しやすくなります。また、自分の本音で選んで歩んできた道ならば、試練に遭遇した時、乗り越えようと思えますが、自分以外の何かの言う通りに歩んできた道ならば、試練に遭遇した時、「~の言う通りにしてきたのに、なぜ自分はこんな目に遭わなければならないのか」と、簡単に心が折れてしまうでしょう。
他人に迎合せず、自分の気持ちに正直に生きることーこれが最も後悔しない生き方なのだと思います。そしてそれは、自分勝手に生きるというような不誠実な生き方ではなく、「自分にも他人にも誠実な生き方」なのです。